青森からはまなすB寝台に乗車し、札幌へ到着します。宗谷本線塩狩を目指し普通列車で移動して、憧れの塩狩峠に宿泊します。夏旅北海道2015のその2です。
北海道東日本パスで夏の北海道’15_2 札幌から塩狩へ・塩狩峠に泊まる

昨晩は青函トンネル突入と同時に寝落ち、函館に着いた事も知らず起きたら進行方向が反転していました。雨の音に目が覚めてカーテンを引くとそこは北海道、列車は長万部の手前辺りを走行していました。
夜が明けて来ると生憎の曇り空だったのですが、

向かいの席の方が新千歳で降りられる頃には晴天が広がって来ました。列車は札幌へ定刻で向かいます。
着替えて歯磨きをしに洗面に向かったり、青森で買っておいた缶コーヒー飲んでいるとハイケンスのセレナーデに続きまもなく札幌到着の放送が入ります。
いや、もう青森から微動だにせずずーーーーーっと寝台に居たと言う。車両から一歩も出ず、寝て、車窓を見て、札幌到着のはまなす。最高でした。

札幌到着です。


昨日朝上野を出発し、翌日6:07に札幌へ到着。ほぼ24時間かけて北海道は札幌へ到着しました。北斗星なら……。あんなに便利な寝台は無かったのですが、、。
札幌から旭川へ

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 札幌。全然久しぶりな感じじゃない(´Д` )
なにはさて置き今回の旅のもうひとつの目的の「さよなら北斗星硬券きっぷ」。このきっぷのおかげでめちゃくちゃな事を今後しますが、まずは札幌駅で無事購入できました。

まだ開いていない四季彩館を覗くとJR北海道監修のオフィシャルブックレットとクリアファイルのセットあるある。。これに硬券きっぷが入るんですよふふふふ。まだ買わないけど。

さてさてさて、朝ご飯を食べれる所がまだ開いてないのでしかたなく適当に食べて、ここから北上します。
今日のお宿は宗谷本線塩狩にあるお宿で、ユースホステルです。ここのお宿が楽しみで私には珍しく夕飯を付けました(朝は始発の関係で無しです。)

9:08に旭川行きの普通列車が来るのですが、私はできれば気動車に乗りたいので岩見沢まで電車で行きます。これもう札幌からガラガラでした。。。
途中チャラいここなどに停車して、岩見沢から滝川行き927Dに乗車します。

滝川から旭川行きの列車の発車まで1時間20分程あったので、町を歩いてみます。
とにかく人が居ない滝川。もう駅は繁華街から離れて寂れて列車を使う人なんていないのかなぁと思う程閑散としていました。
商店街はシャッターで、たまに開いているお店はおばあさん用の洋品を扱うお店です。不思議な程年齢層が高い扱い商品で、滝川って北の巣鴨を目指してるのかな?と。
食べ物屋さんはミスタードーナツ以外無いので、、何も食べずに滝川から旭川へ2147Mに乗車し旭川へ向かいます。
旭川到着

もうお腹ぺこぺこで、旭川駅の奥地にある駅ナカ食堂へ。町へ出るには時間が中途半端(1:50程待ち時間あるのですが、夏の旭川は暑い。。)だし(イオンはやだし(´Д` ))

ここのラーメン、チャーシューが北海道産豚肉2枚か普通の(?)豚肉4枚か、それぞれ100円で追加できます。そしてラーメンじたいも500円。その割に美味しいので、ここは良く頂いています。
江丹別のソバもウマいですよ!
ちょっとイオンでTシャツとか替えの着替えとか見てみたり、めちゃくちゃ充実してるお酒コーナー(国士無双の1升瓶が1700円……さすがに、さすがに持ち歩けない無理)見てまして、再び旭川のきれいな改札をくぐり、宗谷本線の出発ホームへ行きます。
宗谷本線 塩狩へ

もう本当に溜息が出る程きれいな旭川駅。こここそ新幹線の駅になるべく産まれたような気配がします(新函館北斗駅(渡島大野)は……ねぇ。後ほど))。画面中央に見えるのはやっと逢えた私の愛する幌延行き327D、キハ54です。

宗谷北線運輸営業所のシンボルマーク、エンブレムです。スーパー宗谷は「soya」、宗谷北線は「Sohya」。Sohyaの方が良いなぁ(´Д` )
さて、この列車に乗り一路塩狩を目指します。
塩狩

憧れの駅「塩狩」
降りた乗客は私1人。列車が幌延へ向かって出て行くと、辺りは静寂と虫の声が聞こえています。



このレールが遥か日本の両果てまで続いてるその凄さとか考えていました。
さて、とりあえずチェックインしよう!と駅からすぐ傍の今夜のお宿「塩狩ヒュッテ」に向かいます。
が、私チェックイン時間が16:00と言うのを失念していまして、、、鍵が閉まっていました。。ではでは、と言う事で塩狩駅すぐ傍にある「三浦綾子記念館」に入ろうかどうしようか迷ってると「バカじゃね?入れよ」と弟からメールが(´Д` )まあ確かにね。

駅から歩いて3分もかかりません。列車の中からも見えます。三浦綾子と言えば小説「塩狩峠」が有名ですが、この館の中には三浦綾子さんの一生が展示してありまして、人も居らずゆったり静かに、また、すごい静謐な空間が作られていてめちゃくちゃ良かったです。
塩狩峠がどう言うお話かと言いますと、塩狩峠の線路が見渡せる場所にありますこの「長野政雄氏殉職の地」の碑があり、

その碑にはこう刻まれています。

これを元に書かれたお話がこの地塩狩峠の「塩狩峠」です。

この峠の前後、乗っていてもそれと解る勾配があります。「塩狩」って本当に美しい地名だなぁと前々から思っていまして、今回下車できた事が嬉しかった。
三浦綾子記念館の方と色々話をしていると「もう宿の方帰って来ていますよ」と教えて頂き、いよいよお宿にチェックインします
塩狩ヒュッテ

この建物はほぼ手作りらしいです。真後ろが線路で、列車の中からもよく見えます。ユースホステルで男女別相部屋ですが、ひっじょうに居心地が良いお宿でした。
玄関を開けると女将さん(で良いのかな?オーナーの野菜ソムリエの奥様)と子供が出迎えてくれました。
その瞬間
「ああ、ここは当たりだ」
と。何があってもここでは問題は起こらないな、と思わせる空気がありました。イヤな思いをする事は無い、て事です。
チェックインを済ませ、部屋に行きます。私が一番乗りでした。

※ここから極端に写真が無くなります。だって気持ち悪いじゃないですか、、断りを入れて撮っても良いとは思いますが、、私は写真よりその場の空気が大切です。
荷物を置き、手作りのお部屋や階段を見たり久しぶりに揺れない所で眠れる安心感もあり。大量にあるコンセントにバッテリーやらiPhoneやらを繋ぎ、充電開始します。
「お風呂できていますのでどうぞ」
と、部屋に行く前におっしゃって頂けて、早速まずお風呂に。温泉ではない(当然)ですが、浴室が2つあります。ありがたくお風呂に入り、北海道にしては暑かった汗だくの身体をサッパリさせます。
洗濯機もありますし、小さなタオルは無料で使えます。
夕食まで間があるので、再び外へ。駅が目と鼻の先です。堪りません。
何時間居ても飽きません。その景色は見る度に変わり、発見があり、いつまでもここ塩狩峠の空気を吸っていたかったです。

駅を望みながら旭川行きのキハ40。列車が出発して行くと静寂に包まれ、心の底から癒されていました。人の住む場所じゃない所を開拓し開墾し線路を敷き、そしてまた原生林に還って行くんだなぁとか、妙にしんみりしてしまいました。
「快速なよろ」はここ塩狩を通過します。私が駅舎前の階段にぼーっと座っているのを見つけると大抵の人が手を振ってくれましたし、身を乗り出す人もいたりして。人の気配がないのが塩狩なので、人が居ると「え?」と思うの解ります。
さて、宿に戻りまして「もう飲んじゃえ」と、ホステルの女将さんに何度もビールを頼み、飲んだくれていました。
※自販機も周りにお店も無いので自ずと夕食準備でお忙しそうな中恐縮しながらビール下さいと、、でもギンギンに冷えていて美味しかった!
部屋に居ると列車接近音がして、窓から覗くと宗谷本線を列車が行きます。こう見ていると上りと下りがありますし、この先には名寄があるので結構な本数を見れます。
時刻表片手に部屋で見ているとノックの音がし、同室の方が見えました。1人でバイクで回っているライダーさんでした。
簡単にご挨拶をし、初対面にありがちな距離を測り測り話をしていると夕ご飯の時間です。1枚も写真が無いのですが、野菜中心の夕食です。ご飯は北海道産「ゆめぴりか」が食べ放題です。
ここで今日の宿泊客が一同に介すのですが、食事のテーブルは3つ有り
- 家族連れ
- カップル
- 1人旅の女性×2名、1人旅の男性×2
でテーブルに案内されます。
初見でもこちらは北海道好き1人旅が4人集まってますので、いきなり打ち解け、美味しい野菜をたんまり頂きながら一気に話に花が咲いてしまいました。
1人旅って話をしないときは本当に口を効かないので、たまに喋り方忘れてるのでは?と思う事もあるのですが、ここでは自分や他の方が見ている事、見たい所やそれぞれの目的やどこから出発して何処へ向かうのか、等々、濃い時間が流れます。
※なのでお食事の内容がちょっと飛んでまして、でも何もかもメタクソウマかった事は覚えています。野菜の味が濃くて、この塩狩、和寒辺りで取れた物しか使わないとおっしゃっていました。
食事も終わり、お風呂や洗濯やそれぞれが自由に過ごします。
食事後も同室のバイカーの方と色々話をしました。北海道が好き、と言う共通点がありますから話が尽きる事はありません。今までバイク旅の方を見ていて素朴な疑問も解決しましたし、雪道は無理だと言う事も知りました。
この方は小樽に着いてそこから回っているとか。私はひたすら鉄路なので、昔の留萌ー幌延の羽幌線、音威子府ー稚内の天北線や名寄本線、湧別線など、かつての鉄路沿いに見る風景はどんなだろうと考えます。
ユースと聞くと過剰な事を要求される気がするのがイヤです。それはそれで楽しいのですが(例えば強制集合写真とかオーナーの説教とかギター弾き語りとか……私はギターの弾き語りが苦手です。拒否できない空気、終わったら強制褒め言葉を言わないとダメなアレ。)、ここ塩狩ヒュッテは一切そういうい過剰な事はありません。
気持ちいい距離を保っていただけながら、でも気は配って頂けているのが伝わる良いお宿です。必要な事は聞けるし、余計な事はなにもありません。
シンプルな良いお宿です。今思い出しても今後の旅行にはここへ行く為に旅程を組もうと思っています。
もちろん色々なアクティビティも用意されています。同席になった女性は2泊、4泊されるとか。翌日はピザを焼いたり、色々な所へ行ったりお宿が相談に乗ってくれるそうです。

星がきれいで、見ていると肉眼でも流れ星が見えて。駅に腰掛けて虫の声に耳を澄ませて、最高の夜でした。

夜は肌寒く、宿に戻るともう眠くて眠くて。ので、同室の方におやすみなさいを伝え、お風呂に行きますね、と言う声を聞いたのが最後。起きたら朝でした。
塩狩の朝

始発で稚内へ向かいます。ので、朝ご飯は時間的に食べれません。
静かに荷物を纏めていると同室の方が起きてしまいました。相部屋はそこらへん気を遣いますね。。いつもこれくらいに起きますから、とは仰っていましたが、難しい所です。
1階に下りるとオーナーの旦那さんが朝食の支度をしていました。これがウマそうで。。(´Д` )でも時間ないから。。
お世話になりました、と伝え、宿を後にします。

時間が少しあったので反対側へ渡り、駅を見渡します。
どうか、どうか長くこの駅が残りますようにと願いを込めて。絶対にまた来ますと駅舎に誓いました。
そして、稚内行きの始発、旭川始発稚内行き321Dがやってきます。
別部屋のカップルさんも列車を見に来ていて、
「気をつけて下さいね!」
「ありがとうございます、そちらも!」
等、声を掛け合い乗車します。
夏のこの列車は予想通り混んでいましたが、車両一番後ろから昨夜泊まった宿を見るように乗ると、宿の前に同室のライダーさんが居て、こちらに向かって手を振って下さいました。
もう二度と逢わない人と一夜色々話をし、食事をし、駅から別の方向に行きます。
「これから北斗星に乗るまで色々な場所で二度と会わない人と出会って別れて行くんだな」
とか思いながら列車は北へ北へ向かいます。
北海道東日本パスで行く夏旅北海道2015 全15編です ★が今のページです
北斗星寝台券取れた→東京→青森→/はまなす/→札幌→★塩狩→稚内→札幌/はまなす→函館/長万部から山線札幌→増毛/留萌→阿分稲荷神社→名寄(キマロキ)→幾寅/帯広→釧路→根室/網走→札幌→北斗星/函館まで→北斗星/上野到着