青春18きっぷ旅行記・出雲大社をたっぷりお詣り|中編

無事にJR出雲市駅に到着し、1日の疲れをお宿で癒します。今いるここは八雲立つ出雲の地。夜が明けたらいよいよお詣りに行けます。出雲大社を大量の写真で説明する神様を感じる旅。青春18きっぷの旅・中編です。

青春18きっぷ旅行記・出雲大社をたっぷりお詣り

一昨日。東京をムーンライトながらで出発し、いろいろなトラブルを経験しながら岡山へ到着。昨日は岡山から伯備線で宍道まで。豪雨災害から前日復旧した木次線に乗車し往復しました。

青春18きっぷ旅行記・前編はこちらからどうぞ( ^ω^ )

青春18きっぷ
青春18きっぷ

あらためて今回利用の青春18切符です。7月に北海道へ行って幌延駅で入手しています(・ω・)。

ここまでの青春18きっぷの利用は「2日分」です。東京ー小田原は乗車券を別に用意して、8/7に東京からムーンライトながらに乗車しています。
8/8の0時を過ぎた最初の停車駅・小田原から岡山の移動で青春18きっぷ1日目
8/9に岡山ー備後落合ー出雲市と移動して2日目です( ^ω^ )。

*このブログは8/10です。サンライズ出雲に乗る日なので、青春18きっぷは未使用です。

(青春18きっぷの3・4・5回目は9月に東京から和歌山、紀伊半島を1周して豊橋まで行っています。台風で関空の橋に船がぶつかった時で、大阪駅でずっと来ない紀州路快速を待っていたのが思い出です(この日は天王寺からしか出ていなかったのです´д` ;)。)

東京からムーンライトながらで大垣、岡山から伯備線・木次線乗車して出雲市まで18きっぷで移動した前編はこちらです

出雲市からサンライズ出雲92号で東京まで移動した後編はこちら

一畑電車で出雲大社へ

ホテルをチェックアウトしません。なぜなら、真夏で最高気温を毎日更新しているこの平成最後の夏なので、いろいろ考えて練った計画は

人がそんなにいないであろう早朝に出雲大社を参拝し、一度ホテルに戻ってシャワーを浴びて少し休んでからチェックアウトし、サンライズ出雲乗車の時間まで一畑電車で島根をウロウロ観光しよう

というものです。

朝食会場のオープンを待ち、しっかり朝ごはんを頂き、いざ出雲大社へ向かいます。

一畑電車1日フリー乗車券
一畑電車1日フリー乗車券

「一畑電車」の1日フリー乗車券です( ^ω^ )。出雲と松江を走るローカル線で一路出雲大社へ向かいます。一つ前の方は「09876」ですね。私は「09877」。なんともラッキーな感じです。

駅の名前は「電鉄出雲市」。この駅名好き。ものすごいテンション上がります。

乗車電車は始発から2本目の6:44発松江しんじ湖温泉行きです。

*一畑電車で出雲大社へ行くには必ず「川跡(かわと)駅」で乗り換える必要があります。平面のホームで乗り換えができるので楽々ですよ。電鉄出雲市駅から1日に1〜2本ほどそのまま大社前へ行く電車もありますが、川跡乗り換えで大丈夫です。

一畑電車についてはこちらをどうぞ。

*時刻表が解りにくいのですが、要は3系統走っていて、

  1. 出雲大社前・電鉄出雲市駅から松江宍道湖方面へ行く電車
  2. 松江宍道湖方面から出雲大社前・電鉄出雲市へ行く電車
  3. 川跡と出雲大社を往復してる電車

がいます。

時刻表の矢印は「連結」とかではなく、「これに乗り換えできるよ!」の印です。

一畑電車「ようかん」駅
一畑電車「ようかん」駅

「ようかん」。世界は広い(´Д` )

一畑電車 車窓
一畑電車 車窓

のんびりカタタン、カタタンの音を聞いて、目の前に広がるお米が実る田んぼを見ながら、どんどんその地に近づいていきます。

その地、出雲大社の最寄駅。一畑電車の「出雲大社前駅」に到着します。

八雲立つ出雲の国、その中心「出雲大社」です。

出雲大社前駅

一畑電車 出雲大社前駅 駅舎
一畑電車 出雲大社前駅 駅舎

街の中に普通に溶け込んでるこのちいさな駅舎が出雲大社に最寄りの駅です。

カラーガラスが素敵です。モダン、でもものすごい風格がある駅舎と駅の中です。

一畑電車 出雲大社前駅 駅舎内部
一畑電車 出雲大社前駅 駅舎内部

本当に素敵(´Д` )昔はここが乗車券販売の場所でした。お風呂の番台みたいです。かつては大勢の人が鉄道でこの出雲へ来ていたんでしょうね。

時代は変わり、写真左手奥の小さな窓口と小さな券売機できっぷを販売しています。写っていませんが、画像左に小さなお店があり、一畑電車グッズを販売していますε=(・∀・ )トートバッグがかわいかった。

ここより南。平成2年3月31日に廃止されたJR大社線大社前の駅舎があり、保存されているのを知ったのですが、いかんせんもう茹だるように暑くて暑くて、絞れるほどの汗をかいていたので今回は断念です。

こちらで旧大社駅についてじっくりと案内をしています。絶対素敵なので、次は訪ねたいです。

出雲観光協会の公式サイト

一畑電車 出雲大社前駅 駅舎内部
一畑電車 出雲大社前駅 駅舎内部

駅舎内のカラーガラス。きれいきれいきれい。大好き。凛として、シンとして、光が差し込んで。長い間ここを行き来している人を見てきた駅の中がものすごい素敵でした。

朝早かったので人もおらず、ゆっくりと流れる時間。冷房はなく、開け放したドアから風が入り込み、涼しい空気を運んでくれます。が、私は湿度にやられて汗だく、、もっといたかったのですが、先を急ぎます。

出雲大社

出雲大社
出雲大社

ここは「勢溜の大鳥居」があるところです。鳥居がなーい。

*今(平成30年10月)はこの大鳥居も無事に竣工しています。私が訪ねた時はまさにその作り変えの真っ最中でした。(新しいは勢溜の大鳥居は鉄でできています。)

この辺りを「人の勢いの溜まるところ」、「勢溜(せいだまり)」と言います。駅からまっすぐに歩いてきた「神門通り」はこの勢溜が一番高い位置です。ここから振り向くと、歩いてきた道が見えます。遠く、朝に霞む石でできた「宇迦橋の大鳥居」が見えます。

*ちなみにその次の鳥居は「中ノ鳥居」、聖域に入る「銅鳥居」があります。

出雲大社 入口より振り返る
出雲大社 入口より振り返る

神様。神様。八雲立つ出雲の国が神の国。

そうとしか言えない景色が広がります。

出雲の地、その大社に到着したことを実感します。神門通りをまっすぐ行くと先ほどの一畑電車の出雲大社前駅があります。駅の目の前が参道です。

勢溜から、珍しい下りの参道を行きます。

出雲大社 松の参道
出雲大社 松の参道

振り向いて撮影。この先が先ほどの「勢溜」

参道の真ん中は松の根を保護するため、左右を歩くように案内があります。

参道は真中と両側が松並木によって三つに分かれています。昔は、中央の参道は皇族の方々や例祭の時、天皇陛下のお使いである勅使さんが通られる道とされ、一般には通行ができませんでした。今は大社に参られる方がそれぞれの思いを胸に自由に通行できます。

鳥居に入る前には一礼ですよ。そのこころが大切です。

(が、松の根の保護のため左右を歩くようにお願いがありますから、左右の道を(どちらでも大丈夫です)通りましょう。そもそも参道は真ん中を歩くことは避けるようにしましょう。真ん中は神様の通り道と言われていますから、端を歩きましょう。)

その松の道を抜けるとそこは出雲大社(いづもおおやしろ)のお社です。

出雲大社 銅の鳥居
出雲大社 銅鳥居

さらなる聖域への入り口。銅鳥居です。ここを触りながら回ると云々、、があるようですが完全に否定されている迷信です。止めましょう。

参道を抜けると、緑青色に輝く銅鳥居があります。銅製の鳥居であるが故に、いつの頃からかこの銅鳥居を触りながら回ると「金まわりが良くなる」とガイドの方の案内を聞く事があります。これまた同様におもしろおかしく案内しようとする創作です。出雲大社に古からある信仰ではありません。

出雲大社公式サイト・よくあるご質問より

出雲大社
出雲大社

大国主の大神がおられる出雲大社。国譲りの神話。

手前の注連縄がある建物が「拝殿」、その後ろが本殿に一番近い参拝所の八足門です。

二礼・四拍手・一礼

で参拝します。二拍手ではありません

出雲大社 御本殿前八足門
出雲大社 御本殿前八足門

御本殿前の「八足門」です。正面からの撮影は失礼と思い、すこし横から。抜けるような夏の空。八雲立つ出雲の国。全てが出迎えてくれているような錯覚がします。

鳥の声、境内のお掃除の方のサクサクという石を踏む音。柔らかい風が葉を揺らす音。

何も願わず、頭を真っ白にし、ただただ頭を垂れます。無心です。

神様の前に立ち、湧き出てくる気持ちを大切にします。我が事や願いは一切思わないのが私の参拝です。出雲の神さまへ初めてお参りができたこと。思うのはそれだけです。

再び拝殿まで戻り、左回りで御本殿を回りますと、末社があります。

出雲大社 大国主大神を正面から参拝できる場所
出雲大社 大国主大神を正面から参拝できる場所

見えにくいのですが、西の十九社の先に小さなお参りできる場所があります。出雲大社の西側参拝所と呼ばれているそここそが大国主大神を正面からお参りできる参拝所です。

神話の国のお話は、とても興味深いのです。昔の話なので解釈はいろいろありますが、伝えられている話は以下のものです。

[かつて。]大国主大神様が国づくりによって築かれた国は「豊葦原の瑞穂国」と呼ばれあらゆるものが豊かに力強く在る国でした。

大国主大神は国づくりの後、築かれた国[日本]を私たち日本民族を遍く照らし治める天照大御神様へとお還し(国土奉還=国譲り)になりました。

そこで天照大御神は国づくりの大業をよろこび、その誠に感謝し、これから後、この世の目に見える世界の政治は私の子孫があたることとし、あなたは目に見えない世界を司りなさい、と伝えたそうです。

出雲大社・公式サイトから引用・[ ]内は当方が追記

出雲大社
出雲大社

再び八足門です。

後ろの高いお屋根の建物が御本殿で大国主大神命がおられます。が、大国主大神は参拝の人が拝むこの八足門がある真正面(南)をむいておらず、この画像の左側の西を向いています。なぜか。は明らかになっていません。

出雲大社 御本殿
出雲大社 御本殿

御本殿です。写真左手が上の画像の八足門で本殿は南を向いています(朝なので東から日が昇り、御本殿を照らしています。)が、大国主大神が御鎮座されている御内殿は西向きになっており、大国主大神命はちょうどこの面の真裏を向いているのです。

ちょっと見たことがないくらい大きな社は、なぜ?ということばかりです。西を向いている御神座、一緒にいる五柱の神。あまりにもロマンがありすぎて、いろいろな人がいろいろなことを言っています。おもしろいです。

神話の世界の話ですから、正確なことは解りません。このあと10月に秋の乗り放題パスで伊勢神宮へも行っています(次に記事にします)から、そこで感じていることは自分にとって正しいことです。

たとえ過去に何があっても現実には今があり、神は確かにそこにいる。伊勢にも出雲にも。それが解れば今はいいのだと思います。

出雲大社 御本殿
出雲大社 御本殿

後ろから御本殿。本当に巨大です。

出雲大社 神在月の神様の宿泊所「十九社」
出雲大社 神在月の神様の宿泊所「十九社」

そして、「十九社」。東と西にあり、小さな入り口が並ぶここが「神在月」に出雲に集まった八百万の神様がお泊りになる「宿処」です。

旧暦10月10日の夕刻、出雲大社西方の稲佐の浜で全国の神々をお迎えして(神迎祭)翌日11日から17日までの1週間(神在祭)は、この東西のお社の全ての扉が開かれ、おまつりがおこなわれます。

出雲大社 十九社説明
出雲大社 十九社説明

全国の神様が集まるんですもんね。この「十九社」がとても好きです。神在月の神迎をし、この扉が開いたところを一度見てみたいです(でも、旧暦の神在月は出雲周辺大賑わいとか(´Д` ))

出雲大社から電鉄出雲市駅へ

お参りを済ませ、チェックアウトとシャワーを浴びるために一度出雲市駅へ帰ります。

一畑電車 出雲大社前駅
一畑電車 出雲大社前駅

乗る電車はもうホームで待っていました。奥の銀色の電車7000形です。

手前のオレンジ色の電車は保存されているデハニ50形電車の「デハニ52」です。

一畑電車 デハニ52車内
一畑電車 デハニ52車内

古い電車ですが、保存されている車内にも入ってみることができます。椅子にもゴザが引いてあり、ちょっとした休憩にも利用できるようになっています。

一畑電車 出雲大社前駅
一畑電車 出雲大社前駅

改札から見たホームです。櫛形の終着駅で、かさ上げされているのが解ります。古い素敵なホームは風通しが良く、気持ちいいです。

フリーきっぷを出して、暑い出雲のホームから電車に乗ると、久しぶりの冷房です。まだ時間も早いので他のお客さんは見えませんでした。

一畑電車内 島根の「しまねっこ」
一畑電車内 島根の「しまねっこ」

車両の真ん中に鎮座される島根のゆるキャラ「しまねっこ」です。

一畑電車内 島根の「しまねっこ」
一畑電車内 島根の「しまねっこ」

クロスシートとロングシートがある車内中央、しまねっこ。すんげえ絵ですね(´Д` )

この電車に乗り、一度電鉄出雲市駅へ戻り、ホテルでシャワーを浴びます。少し休んでから、再び灼熱の出雲市駅へ向かいます。

御本殿を参拝できたのはいいのですが、出雲大社で有名な「注連縄」を見ていないことに気づいたので、チェックアウトしてもう一度一畑電車に乗り込み、再び出雲大社へ向かいます。

が、せっかくのフリーきっぷなのでもうひとつの終点「松江しんじ湖温泉」へ行って、(お宿が多いですね)川跡へ戻ってきました。

今度の電車はこれ(撮影は大社前駅)。

一畑電車「ご縁電車しまねっこ号」
一畑電車「ご縁電車しまねっこ号」

すっげえええ。。京王井の頭線が遠い島根の地でこんなにガーリーになるなんてねえ(´Д` )。でも、この電車自身もこうなってとても楽しそうです。乗りに来てくださいね。

一畑電車「ご縁電車しまねっこ号」 車内
一畑電車「ご縁電車しまねっこ号」 車内

中も外観に劣らずすっごおおおおおい( ˙ω˙)♡。

ハートのつり革。いったい誰がこれを使うの?って、縁結びを望む人がこのつり革を掴むとご縁が結ばれるんで(迷(˙ω˙)信)

あと車内の床に謎のあみだくじとかあって、知らない人と向き合って座るとあみだくじが発動し、そのアミダの先の方と結ばれるんです(迷(˙ω˙)信)

実際は向かい側のおじさんと手前のおじさんがアミダで繋がって♡たりしてて。ある意味萌え、な状況でしてねえ。なんていうか、すごい異世界別世界です(´Д` )。

*微妙に恥ずかしい。その心は大切にしたいものです。

一畑電車「ご縁電車しまねっこ号」 車内
一畑電車「ご縁電車しまねっこ号」 車内

林家ペーさんパーこさんご夫妻がお好きそうなピンク配色です。全部ピンク。できるものはやりきってピンク色です。

縁結びとはなんぞや?縁結びってどういうこと?が一人歩きしちゃってやっちゃった感も否めないのですが、楽しいのでこれでいいのですv( ^ω^ )v。

出雲大社 大注連縄

そして再びの出雲大社へ到着です。朝とは打って変わってさすがの出雲大社です。たくさんの人が参拝していました。女性が多いですね。友達同士と見受けられる方も、ツアーの方も、ご家族も。もちろん一人旅の方も多く見えました。

大注連縄は本殿向かって左に進みます。すぐにありました。

出雲大社 神楽殿の大注連縄
出雲大社 神楽殿の大注連縄

出雲大社の大注連縄です。出雲大社というとこの注連縄を思う方も多いと思います。見た目にインパクトがありますから、ここが御本尊や拝殿・参拝所と思われているようです。

が、ここは「神楽殿」です。出雲の地以外にも似たものはありますが、圧倒的に違います。圧巻。本物は違います。

これだけ巨大な注連縄を必要とする意味ははて?と考えてしまいます。

この注連縄にお金を投げて、、な話がありますが、これも完全に否定されている迷信です。止めましょう。

注連縄は神様がお鎮まりになる御神域を示し結界する神聖なものです。その神聖な注連縄にお賽銭を投げ入れるという行為は、神様に対して失礼にあたることです。従って縁起が良いことではありません。

出雲大社公式サイト・よくあるご質問より

出雲大社の国旗

出雲大社 神楽殿の国旗と大注連縄
出雲大社 神楽殿の国旗と大注連縄

なかなか翻るところを撮るのが難しくて(´Д` )すいません。

奥の神楽殿の大注連縄さえ小さく見えてしまう47メートルもの巨大な国旗掲揚塔。国旗の大きさは13.6m×9m。畳75畳分とのこと。

威風堂々。NHKが放送終了の時、君が代と流れる国旗は出雲大社のこの国旗です。日本の国旗と日本の国歌を愛せない日本国民はいませんよね。

平安時代の御本殿が48メートルで、国旗掲揚塔それよりも少し低く作っているとのことです。圧巻です。古代の神殿はこんなに高さがあったのかと、そのすごさを体感します。。

それを見てみたいなあと、暑さに汗だくで古代のロマンに思いを馳せていたりしました。ところどころ涼しくなるようにスプリンクラー?みたいな水蒸気を放出しているのですが、なんていうか、焼け石に水というか、余計湿度が上がってますよ、というか。カラッとしていればいいのですが、湿度がきついです。

出雲大社 ムスビの御神像

出雲大社 ムスビの御神像
出雲大社 ムスビの御神像

森の中にある「ムスビの御神像」です。

大国主大神が「光」と対面する像です。上で紹介した「銅鳥居」の手前、右手にあります。

海の神から「幸魂奇魂(さきみたまくしみたま)」を受け取っている場面の像で、この幸魂奇魂から「お陰(おかげ)」を受け取ったことで、生き物が幸福になるための「縁」を結ぶ「ムスビの大神」となる神性を持ったと言われています。

1998年の出雲大社のwebページ、「神語」について説明している文章の中に「幸魂奇魂」について、このように説明があります。2009年ごろまで存在していました。今はページがありません(404 NotFound)

各宗教団体には、それぞれに祈りを統一する言葉があります。

仏教では「南無阿弥陀仏」や「南無妙法蓮華教」、またキリスト教では「アーメン」とも言います。

このように祈りを統一する言葉が、出雲大社教では、この神語と言われる「幸魂奇魂守給幸給(さきみたま くしみたま まもりたまへ さきはえたまえ)」です。

大国主大神さまは、一生懸命に国づくりに励まれ、生きとし生けるものがその場所を得、立ち栄えていくよう努力された時、自分の生命のなかに潜む「幸魂奇魂」という偉大なご霊力により、「むすびの大神」となられました。

幸魂」とは、

“花が咲く”
“布を切り裂く”
“物が割き分かれる”

という言葉のように、物が分裂し、増加繁殖して栄える力を意味します。

また「奇魂」とは、「櫛」「串」の言葉のように、

“櫛で乱れた頭髪を解いて整える”
“串刺しにして、それぞれの物を統一する”

というように、統一し調和する力を意味します。

つまり、「幸魂」によって分化繁殖したものを統一し、調和のとれたものとして、一層発展させてゆく力が「奇魂」ということなのです。この「幸魂奇魂」のみちからによって、お互いの生命は正しいはたらきをします。
教信徒はこの「神語」を、出雲大社教教務本庁で配布する奉書に思いを込めてしたため、大祭のなかで大神さまの大御前に奉進されます。

出雲大社公式サイト・おまつりの<神語>より引用(ページは現存せず)

とあります。

我内なる幸魂奇魂(さきみたま くしみたま)の発動を大神さまに祈り行う夜祭が執り行われ、引き続いて「みたまむすびの霊行」が管長のお導きのもと出雲大社本殿瑞垣内大御前で厳行されます。

漆黒の闇の中で各々が大神さまのお膝元にて、霊魂のよみがえりを、幸魂奇魂の発動を一心に祈ります。

出雲大社公式サイト・「出雲大社教大祭」より引用(ページは現存せず) 

非常に宗教的なお祭りが8月に行われています。幸魂奇魂の「発動」を現しているのがこの像「ムスビの御神像」なのでしょうね。幸魂奇魂を具現化したのがこの像の金色の光の玉。

出雲大社の「縁結び」だけを見ているとその奥にある深い考えに思考が及べません。確かに、出雲大社の上辺は「縁結び」「神迎」です。が、実際その教えは上記に記したように幸魂奇魂の「発動」を祈り、統一し調和した力を得るための教えです。だから自分の身勝手な欲を吐き出す場ではなく、もっと大きな魂の成人を促す教えと感じています。けれども、どんな理由であれ人が来なければ維持はできません。どんな理由でも出雲に行くことはいいことです。どんどん行きましょう。怯むことはありません。必要なのは感謝と常識と礼節と思っています。

出雲、伊勢。遠い遠い神話の時代からある場所を持てていることは幸せです。他国の人間は理解できないでしょう。

出雲大社・平成の大遷宮記念「蘇」お守り

出雲大社では平成の大遷宮を記念した「蘇」のお守りを授与しています。無事に受けることができました。60年に一度いただけるお守りは、錦袋の中に遷宮前の御本殿のお屋根を織り込んでいます。

出雲大社お守り 「蘇」
出雲大社お守り 「蘇」

2019年3月まで授与しています。

その後も出雲そばをいただいたり。

参道にも出雲の勾玉やさんやたくさんのお土産、お店があり、時間がいくらあっても足りません。

*郵便局でお金下ろそうとしたらATMがなくて、係りの方がキャッシュカードで現金ひきおろししてくれる窓口タイプでした(´Д` )。残高が少ないからハズカシー

そろそろ出雲市駅へ戻り、サンライズ出雲に乗車する準備をしないといけませんから、鳥居を抜けて、振り返り、

「絶対にまた来ます」

と出雲の神さまに誓います。この場所へ来れて本当に良かった。

後編・サンライズ出雲92号に出雲市から東京まで乗車

に続きます。

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