ながらくのご愛読ありがとうございました。遂に臨時寝台特急北斗星は上野に到着してしまいます。北海道東日本パス2枚使用し総移動距離5598.1km、夏旅北海道2015の最終回です。
北海道東日本パスで夏の北海道’15 最終回 寝台特急北斗星 上野到着
8008列車 北斗星からの夜明け
ぱっと目が覚め、時計を見ると午前3:15。列車はまもなく一ノ関です。深夜車内が寝静まっているのでソロの中からソロソロと外に出て車内を見て回ります。静かにドアを開け閉めしたいのですが、ある程度の勢いが無いと開かない閉まらない個室のドア。。カードキーを差し込むと響く甲高いカチャン音。できるだけこっそりと個室から出ると程なくして列車は一ノ関に運転停車しました。

一ノ関 3:23
個室の4号車、5号車を抜けてまずは6号車ロビーへ。道内走行中は満席でしたがさすがにこの時間ならもうみんな寝台で寝てるか、眠れずに起きて車窓見ている人も居るかな?と思いきやまさかのロビーで寝てる人が。

奥の携帯電話スペースとブラウン管テレビ(・∀・)一ノ関に停車しているので何の音もしないロビーカーです。

壁の奥がシャワーブースです。両端のソファに寝てる人。ロビーって寝る場所じゃないんですがラストラン間近なので何でもありだったのだと思います(´Д` )。

ロビーの隣7号車は食堂車グランシャリオ。モーニングまでおやすみです。

ディナー、パブが終わり翌朝のモーニングまでしばし休憩の食堂車です。3:37ちょうどをお知らせします。

翌朝までしばし休憩のグランシャリオ。通路側のクロスが上がってませんね?
機関車EF510は何号機だろうか?と来た道を戻り先頭1号車まで行きます。その途中客車寝台ドアを撮りながら。連結部分に立って撮らないとダメなんで揺れが凄いんですよ(´;ω;`)もうグワングワン。

だからB寝台はこんな。


まもなく役目を終えるデッキのドアに書かれた寝台案内です。
静かに減灯された1号車を抜け車端へ。青い機関車が見えました!やったー!

515号機でした!まだまだ真っ暗な中なので盛大なノイズ写真。。連結器の音をきしませ、仙台へ向け爆走する機関車をしばらく見ていました。
EF510に映るオハネフの北斗星テールマーク。

本物の北斗七星とおなじくこのEF510に映るオハネフのテールマークも夜明けとともに見えなく(薄くなる)なります。

松島を通過する頃、本州の夜明けの気配がしてきました。車端をたっぷり堪能し、動画も撮って自分の寝台に戻ります。

東の空が明るくなる頃、仙台から北へ向かう東北新幹線の線路が見えて来ます。

間もなく仙台です。
仙台 4:32

仙台に到着です。北海道から走り続けて来た列車のドアが初めて開くのが仙台。停車時間が3分ありますので、ドアから少し出てみました。

自分の客車、3号車のオロハネ25 501を収めます。進行方向機関車の方を見ると北斗星を撮影する為に人が何人かいました。
出発時間が来て、仙台を出発します。だんだんと空が明けて赤い朝焼けが車窓きれいに見えています。

寝台の電気を全て消し、通路側のカーテンを引き、夜が明けて行く北斗星からの最後の車窓を目に焼き付けます。

朝焼けが去り、日が間もなく昇る瞬間、列車の走行音、寝静まった車内。3号車なのでEF510の汽笛も良く聞こえます。
そして、夜が明けます。
夜明け 5:15 越河の手前

夜を徹して走って来た北斗星の窓に陽の光が差し込みます。夜明けを迎えました。雨の北海道から出発し、本州で晴れた空を見ます。夜行列車の朝、久しぶりの本州の景色です。

夏の日差しが眩しくて、ここから上野まではひたすら太陽が当たります。窓が東を向いているので暑いです。。
日が昇った頃、福島に到着。
福島 5:35

ぶれっぶれですが、、福島駅到着。定刻で出発します。
明るくなって来たので再度1号車へ向かいます。おはよう放送が入り列車が起きだす前にもう一度機関車を見ておこうと。
が、その前にオロネ25 505のトイレについて書いておかないといけません。オロネ25は全室A寝台「ツインデラックス」の車両です。A寝台=グリーン車ですから、もちろんトイレもA寝台の名に恥じないデラックスハイテクトイレとなっています。が、開放B寝台11号車のオハネフにもこれ付いていました(´Д` )ふむ。
まあ、A寝台のトイレとしてみた方がなんか良いなと思うので、A寝台のデラックストイレとして紹介します。
*トイレそのものが出て来ますのでお食事中ならばどうかご注意下さいませ。
オロネ25 505のトイレ
このトイレ、便座にビニールが掛けられていてボタンを押すと自動でそのビニールが巻かれる画期的トイレなのです。何を言っているか解らないと思いますが、こう言う事でございます。

ご使用前に左側についているまるでウオッシュレットのようなボタンを押すと自動で便座シートが巻かれ清潔トイレが登場するのです。
これ11号車とツイデラ乗った時すげえ感動して、いつか動画に収めようと揺れる車内で撮影頑張りました。
どうぞご覧下さい。国鉄技術の結晶(?JR?)A寝台オロネ25 505の自動ビニール巻き取りトイレ「moovet01」です!
ボタンを押すとビニールが便座を渡り、清潔なビニールが出て来ます。よく見て頂くとわかるのですが、この便座右側が完全に外れています。根本から外れていて、左だけで支えているのです。それでもビニールが渡っているのがもう凄くて。こんな技術の結晶も人知れず消えて行くのですね(´;ω;`)。
北斗星のトイレmoovet01の勇姿でした。
明るくなった車内を渡り、1号車端へ。明るいEF510-515とご対面です。

臨時北斗星が出てしばらくはJR東のキレイなオハネフが連結されていたので、ここからの眺めも北車と比べ窓がきれいでホクホクしていましたが、いつの間にか何でか知りませんが平べったいオハネフ25が1号車に入りだし、そのままラストランまでこのままでした。


まあでも、朝の光を浴びて全力で走るEF510の姿には変わりはありません(´ω`)まもなく郡山に到着します。
郡山 6:15

車内からドア越しに郡山駅です。1号車にいましたのでそのまま少し外へ。停車時間が少しあるのでさくっと。

遥か先が11号車、カニがついています。こんな長大編成の旅客列車は宇都宮以北ではもう見れないのでしょうか(除新幹線)。

振り向くと機関車。ホームに居たのは時間にして10秒くらい。置いて行かれたら困るし(´Д` )
さて、郡山を出発です。もう乗車時間はわずかです。行きに到着した郡山も福島も仙台も、北斗星に乗っているとあっという間。寝台特急はこれから高齢化を迎える人に優しく便利で疲れない良い列車だと思うのですが、まあ新幹線万能万歳みたいなのでね、そう言う事でしょうね。
郡山を出発し、しばらくするとおはよう放送と現在の走行状況、車掌の交代と食堂車の案内の案内が入ります。
福島の手前から沿線各所に北斗星を撮影する人がかなり見えました。

物語が始まる北海道新幹線ボトルのお茶「うらら」を飲みながらぼーっと車窓を見ていると

片岡ー浦須坂。どこもこんな感じに賑わっていました。
先頭撮影後、手を振ってくれます(´ω`)
段々車窓の外も車内の通路も賑やかになって来ました。食堂車から朝食の案内があるものの食堂車営業ご案内放送時点でもう「並んでも食べられない可能性が云々」とあり。食堂車にいくつもりももうロビーに行くつもりもなかったので、ひたすら自分の個室で最後、北斗星がどういう車窓を走って来たのか見届けます。もちろん寝台に横になりながら。
宇都宮 7:50
窓の外は通勤の時間、宇都宮もホームが混んでいてちょっと下段から写真を撮るのはどうなのと思い、何もせず見ていました。ホーム端は列車撮影の方々で大賑わいでした。
宇都宮を出発し、使った北海道東日本パスを改めて見てみます。道内色々な所に行ったなと改めて振り返り、北海道を毎日列車で回り、最後北斗星で戻る旅はもうこれが最後。つれて帰ってくれた列車は間もなくその役目を新幹線に譲ります(函館までだけどね(´Д` ))

白岡陸橋 8:43
有名撮影地を次々に通過して行きます。晴れ間が出たり、曇ったりの外、色々な場所に本当にたくさんの人が居ました。
北斗星に乗る時何度か同行していた弟がもう辛抱堪らん状態で撮影に出張って来ていました。
「白岡陸橋で撮るお(・∀・)」
とメールが郡山辺りで入ります。そんな場所知らないのですが、
「新白岡と白岡の間の橋」
と超絶ざっくりとしたお答え(´;ω;`)。
iPhoneに「お友達を探す」と言う機能があり、許可した互いのiPhoneの場所が解ります。それを旅行中オンにしていたので、カメラを構えた弟はいま北斗星が何処に居るのか手に取るように解ったようです。
こちらからもお友達を探すといる場所解るのですが、もう面倒くさいのでとりあえず動画回しとけばいいやと。
撮影地チンプンカンプン。自分の位置を見ながら言われた通りに新白岡を通過した所から動画を回していました。
そして、車内からハッキリ見えました!
私乗車の北斗星の写真がこれです(・∀・)スゴイ!。

すごい(・∀・)!
「機関車だけじゃなくて客車も撮ってね(´;ω;`)」
とお願いしていたので、3号車もばっちり撮ってもらえました。

確かに自分が乗った車両を外から撮影してもらえた!
ツイデラ、ロイヤル、デュエット、ソロ、開放B、ロビー、グランシャリオ。北斗星の客車が全て写っています(´;ω;`)
願わくはJR北海道車の6号車乗車した時客車車両の写真とか撮ってもらえたら引き延ばして額に入れて飾るのに。。もはやそんな贅沢叶わないですが…(´Д` )
ちなみに同時刻3号車車内から白岡陸橋を撮影していた動画の切り抜きはこちらです。

曰く「思ってたより人が少なかった(・∀・)」
良かった良かった。
ヒガハス 8:51
そして最大の山場はここ蓮田ー東大宮の通称「ヒガハス」でした。人が何重にも重なり、踏切横に巨大脚立が立ち、端から端までずらららっとカメラが並んでいました。ここも動画で撮っていたので、思いっきり窓に手が写っていますが雰囲気だけどうぞ。

もうここまで来てしまうと、大宮も間近です。
大宮 9:03

昨日道内を平和に出発したのがウソのようなあっという間の大宮到着です。空は晴れ渡り、駅には大勢の人がカメラを構えてます。大宮も通勤のお客さんと撮り回る人でかなり賑わっていました。さすがに窓のカーテン閉めちゃいました(´;ω;`)人が乗ってようがお構い無しに撮るから怖い。
そして、最後の停車駅大宮を少し遅れて出発します。
もう、次は上野。終着上野です。
臨時北斗星 さよなら放送
大宮を出発し、カーテンを開き、荷物の整理を済ませました。上野到着の車窓を車両の右、通路に出て撮るかこのまま部屋で撮るか少し迷いましたが、最後まで寝台に居たかったので個室窓から外を撮ります。なんとなく赤羽の手前辺りから虫が知らせて来たので動画を撮り始めるといつもより全然早いタイミング、赤羽を通過した辺りでハイケンスのセレナーデ、さよなら放送が入りました。
青森運輸区の車掌さんのアナウンスは、しみじみとした話し方で涙無しには見れません。非常に丁寧に上野からの乗換を案内して頂けます。かつて、上野へ向かう夜行列車が全盛だった頃のような放送は東京に不慣れな乗客に向けた案内のようで心から親切でした。
これが最後の北斗星終着駅到着案内放送「さよなら放送」から、到着ホーム13番線、列車上野到着までの動画です。
- 0:28 京浜東北線の通過を待ち、ハイケンスのセレナーデが鳴ります。
- 3:17 ビルの窓に客車が映ります。
- 3:50 盛大にEF510の汽笛が鳴ります。
- 4:39 尾久通過。アナウンスは万感の「またのご利用をお待ちしております」
- 4:57 ハイケンスのセレナーデ
- 7:19 日暮里通過。
- 8:05 鴬谷通過。
- 8:23 再びの13番到着放送・回送列車引揚時刻のご案内。
- 11:01 上野到着・ダミ声「上野」が列車の終着駅到着を告げます。
上野 9:26

下車前最後に一度振り向き。

札幌でそうしたように、上野駅でももう一度窓の外から自分の客室を見ます。もう二度と乗れない列車の最後の寝台を見ます。札幌ではバンザイで迎えてくれた座席の上がったままの片方の肘掛けがまるでこちらに「じゃあね」と手を振っているようで(´;ω;`)。ありがとう。



先頭の機関車、そして最後尾のカニまでひとつづつ客車を見て行きます。

札幌から上野まで。その距離も走行時間も車内での体験もどれもこれもこの列車以上のものはありません。

回送出発 9:41
盛大にカニが別れの汽笛を鳴らし、推進回送で尾久へ帰る北斗星の客車をひとつひとつ全て見送り、ずっと乗って来た3号車に別れを告げて、ひとつの夏の旅が終了しました。
何度この場所で、この13番から往く列車を見送ったか解りません。毎日上野から札幌まで行く列車がある、その気になれば今日の夜上野を出発し翌朝札幌に到着する事が出来る列車が上野駅13番線から出発していた。そんなひとつの時代は終わりました。
ひと月前の10時にはじまる北海道への旅行は特別なものでした。北斗星に乗り、道内を回り、北斗星で帰る旅はもうできません。
きっぷを手にし、道内への期待と北斗星乗車の日を心待ちにし、支度をし、寝台列車に乗る為に上野へ向かう旅行の始まりはかけがえが無く、これだけ列車に乗車していても飽きる事無く。代替の交通手段は色々ありますが北斗星以上のものは無いです。飛行機が早くLCCで安くなっても、船で豪華に苫小牧へ向かっても。やっぱり上野から札幌のこの1200kmの距離は夜行列車で移動するべき距離だと思います。北海道は遠いから憧れ、その憧れの地へ何度も何度も連れて行ってくれてた北斗星。
上野13番線乗車時から帰り札幌駅ホームで迎えてくれる北斗星へ向けて何日も道内を鉃道で巡り、北斗星の事を思っていました。動いているか、客車は何か、何かトラブルは発生していないか。
1レに乗って2レで帰る旅は生涯の大切な思い出として残ります。
今でも定期運用時の出発時間19:03になると「今日の機関車はなにかな?6号車は何かな?」等とふとした時に思い出してしまいますが、やがてそれも薄れて行くでしょう。
現実的ではないけれど、非常に実用的で有用な寝台列車北斗星がなくなってしまった事に、ただ献杯しかできません。大部分の客車は本当にお星様(親の仇を取るかのように無慈悲に速攻スクラップ特に北海道車(´;ω;`))になってしまいましたし。

北斗星の旅は終わりました。
かつて13番線を出発し、東北本線から津軽海峡線青函トンネルを渡り、北海道の函館本線・室蘭本線・千歳線のレールの上を走っていた寝台特急があった事。
青函トンネルを新幹線が走る前は毎日上野から札幌まで、札幌から上野まで寝台列車が走っていた事。
その寝台列車は乗った人でないと見られない景色があったんだよ、と。
その場所からの景色を見せてくれた1本の寝台特急を想い、その場所からいつも連れて帰ってくれた列車を思います。旅の始まりと終わりに上野と札幌のホームに居た青い列車の面影と北海道。
そして、私は在来線のレールがある限り北斗星がなくなってもきっぷを握り締めかつて寝台特急列車が走った鉄路を進み憧れの北の地、札幌へ向かいます。

夏も冬も北海道を北斗星と一緒に旅をしていたのだから。
おわり。
北海道東日本パスで行く夏旅北海道2015 全15編です ★が今のページです
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はじめまして
いつも拝見させていただいております。
中々更新されませんでしたが、一気にされましたね。
楽しく読ませていただきました。
私は6月の上りで乗り納めでした。
札幌の例のホテル大変気になります。
更新楽しみにお待ちしております。
はじめまして、コメントありがとうございます!もうすっかり日も経ってしまったのに、お読み頂きありがとうございます。もっと短く纏めるつもりが出来上がったら15記事の大長編になりました。
臨時に乗り納めされたのですね。本当に良い列車でしたよね。。。書きながら「北斗星って良い列車だったなぁ」と改めて実感しています。
札幌の例のホテル書いていますのでご期待下さい。今後もよろしくお願いします。